見る・遊ぶ 買う

手彫りと漆の作家・藤原啓祐さん、川口で作品展 触り心地にこだわり

作品の搬入に訪れた藤原さん。南会津町の工房で伝統技法をベースにし暮らしの中で使いやすい作品の制作を行う。

作品の搬入に訪れた藤原さん。南会津町の工房で伝統技法をベースにし暮らしの中で使いやすい作品の制作を行う。

  • 4

  •  

 手彫りと漆の作家、藤原啓祐さんの作品展が11月3日、川口の「木風堂(きっぷうどう)」ギャラリー(川口市安行領根岸)で始まった。

無垢材の店舗兼ギャラリー

[広告]

 福島県の南会津町で工房を営む藤原さんは、大阪生まれだが、子どもの頃から史跡が多い奈良を訪ねることが多く、工芸品に興味を持ち、作品を作っていたという。高校卒業後、京都の美大に進学したが、漆について学びたいと考え金沢美術工芸大学で伝統技法について基礎から学んだ。

 卒業後は岐阜の家具メーカーでデザイン・設計の仕事をしながら自身の作品も作り続け、複数のクラフト展で何度も入賞するなど、働きながらコンペに出品するための作品を制作していたが、妻の実家が営む福島のニジマス養魚場を手伝うことになったのを機に福島へ移住。

 その後、材料調達でも縁があり、以前よりワークショップの講師を務めることが多かった山間部の材木店「きこりの店」がある南会津町で工房を開いた。

 20年ほど前に南会津の原生林の森に入って原木を見る「丸太を勉強する会」で現在の木風堂店主・鈴木さんと出会い、当時木風堂も開業していなかったので、「この人、丸太を何本も買ってどないするんやろうな」と興味を持ち親しくなったのが、同店で展示会を行うきっかけだったという。

 藤原さんは「以前は伝統的な漆芸技法を用いたオブジェのような作品を制作していたが、山に住んでいるからこそできること、アートに寄り過ぎない、生活の中で日々の暮らしに使ってもらえるものを作りたいと思うようになった。福島で育った妻は山暮らしの師匠。自分は木を彫るのが楽しいので、一番好きなことをやめずに済む方法を考えてきた。伝統工芸のベースを大切にしながら、時代の変化にも対応し、触っていて気持ちいい、『何かええ感じ』の作品を作り続けたい」と話す。

 営業時間は10時~17時30分ごろ(最終日は15時まで)。月曜・火曜・水曜定休。無料。12月3日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース