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川口の「だしダイニング楓」が5周年 コロナ禍乗り越え夜営業も

地元野菜を使い、丁寧に出汁をとった家庭料理を提供する。料理の一例 川口産の万願寺トウガラシとナスの揚げ浸し。

地元野菜を使い、丁寧に出汁をとった家庭料理を提供する。料理の一例 川口産の万願寺トウガラシとナスの揚げ浸し。

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 JR川口駅西口の「だしダイニング楓(かえで)」(川口市川口4)が、9月5日で5周年を迎えた。

ランチの一例 しょうが焼き定食

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 店名通り、だしを取った手作りの料理を提供する同店は、川口市出身の店主、田口舞純さんがスタッフと共に店を切り盛りする。

 実家の家業が忙しい家庭に育った田口さんは家族の食事を作ることが多く料理が好きで、結婚後、夫婦でカフェを開き5年ほど続けたが、課題が多く、いったん閉めることにした。その後、パン教室、キッチンスタジオの講師、食育インストラクター、にんべんのだしアンバサダーなど、フリーランスとして活動していたが、再度自分の店を開きたいとの思いから、カフェ経営時の課題克服のため、1年ほど経営やマーケティングの勉強をした後、現在の店を開いた。

 新たに開く店では「ゆっくり食事を取りながら、お酒も楽しめる店にしよう」と夜のメニューを充実させ、ランチタイムはシンプルにだしを生かしたうどんをメインに天ぷらと小鉢を出すことにした。仕事帰りに立ち寄る近隣客も増え、ランチも揚げたての天ぷらが主婦らに好評だったが、コロナ禍の困難に直面した。

 一時はテイクアウトのみの営業に切り替え、夜のメニューで提供していた唐揚げやしょうが焼きをテイクアウト用弁当にして、作り置きをせず待ってもらっても出来たての味を提供することにこだわったところ、行列ができるほど人気になった。コロナ禍の影響が落ち着き店内で飲食ができるようになってからも、テイクアウト時に好評だった唐揚げやしょうが焼き、焼き魚などの定食、カレー、親子丼などのメニューをランチタイムに続けて提供。小鉢も7種類程度から選べるようにした。

 その間、市内の農家から米や旬の野菜を直接仕入れ、店頭での野菜販売やメニューでコラボするなど、生産者とのつながりも大切にしてきたという。町会や市内イベントでも出店し、地域貢献、地産地消の取り組みも進めている。

 田口さんは「ようやく夜営業もできるようになったが、その後の物価高騰など課題は多い。一方、俳句の会やラグビーを見る会などテーマを決めて飲食を楽しむ会での利用もあった。個室があるのでプライベートな集まりにも使っていただけやすく、ワインを楽しむ会や日本酒を楽しむ会の企画も始めている。旬の食材にこだわった料理を味わっていただけるよう、新しい楽しみ方を提案していきたい」と話す。

 営業時間は、11時30分~15時、18時~22時。月曜定休。

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