SR戸塚安行駅近くのそば店「蕎麦と酒 ととの」（川口市長蔵1）が8月13日で3周年を迎えた。

板敷の小上がり席がある店内

　店主の渡辺健一さんは川口市出身。学生の頃より飲食店に興味を持ち市内の複数の居酒屋で働く中、特に日本酒が好きになり、将来、日本酒を出す店を開きたいと思っていた。

　飲食店は、はやりすたりがあるので「何か核となるものを」と考え、30歳くらいの時にそばと日本酒の店を持ちたいと、各地のそば店を食べ歩き店づくりやメニューを研究した。複数のそば店で働いた後、一念発起してそば打ちの専門学校でプロになるための技術を学んだ。

　ようやく夢がかない開業準備を進めていたところコロナ禍となり、店の工期も完了まで3カ月ほど延びたうえ、第一波の自粛要請と開店時期が重なってしまうなど、苦しい時期が続いた。店内での対策を施したほかテイクアウト用メニューを用意したり、日替わりメニューを作ったり、季節ごとのオリジナル料理を提供したりするなどして工夫し、近隣客が増えてきた。

　渡辺さんは「開店時より来てくださるお客さまを始め、多くの方々に支えられて3周年を迎えることができた。店を一緒にやってくれるスタッフも2人入り、店の運営もうまく回るようになってきた。素材にこだわって工夫した料理をリーズナブルな価格で提供していきたい。日本の文化であるそばを盛り上げていければ」と話す。

　定番のそば類のほか、「神亀」をはじめとした純米酒とつまみ類、地元食材を中心としたオリジナル料理、スイーツも用意する。暑い時期は、徳島産の「神山すだち」を使った「すだちそば」のほか、塩漬け発酵させた自家製塩スダチを使った「塩すだちサワー」「塩すだちジントニック」「塩すだち山椒ハイボール」など、すっきりとした味わいのドリンク、加須の農家より直接送ってもらうイチジクを使い、西京味噌とヨーグルトをベースに柑橘果汁とシナモンを利かせたオリジナルソースを添えた「無花果の天ぷら」も提供する。

　営業時間は、11時30分～14時30分、17時～21時30分。火曜と月一度月曜または水曜定休。