水と大豆だけで作る豆乳製造所(川口市弥平2)が川口の弥平地区に開設、6月15日より製造を開始した。
豆乳作りのプロジェクトを立ち上げたのは、川口に隣接する草加市内に本社があるシマダ電気設備に所属する石橋和典さん。ソムリエ出身の石橋さんは、サービス業としての仕事をする中で、食品や飲料の作り手側に興味を持つようになり、飲料業界で現場の仕事をした後、清涼飲料の開発に携わった。
豆乳を作ろうと思ったきっかけは、子どもの頃に食べていた近所の店の豆腐の味が忘れられず、自分の子どもにも食べさせていたが、個人経営の手作り豆腐店が次々に廃業していくのを見て、何とか豆腐職人の技術と知識を未来につなぎたいと考えるようになったこと。石橋さんの考えに賛同したシマダ電気設備の嶋田建社長の協力を得て、同社の新規事業として豆乳プロジェクトが実現した。
豆腐店を訪ね歩いて話を聞き、職人のさまざまな知恵と技術を機械化することで残そうと、工夫を重ね完成した製造設備では、豆の種類による調整やひき方、炊き上げ方など「感覚で伝承されてきた職人の技」を数値化して調整できるようになり、清涼飲料の開発で培った製造技術を組み合わせ、食事にも合うように滑らかな食感と自然の大豆の香りが出せるようになったという。
石橋さんは「現代は忙しい日常に追われ、食に関しても安心して食べられる素材本来の味になじみのない子どももいる。水と大豆だけで作る豆乳なので、大豆本来の風味を感じていただければ」と話す。
8月1日に販売を始める。価格は378円。工場での直売のほか、川口市内のイベント出店も行っていくという。オリジナルグッズや工場見学のリターンが選べるクラウドファンディングを7月18日まで行っている。