川口の、木や自然素材と手仕事の作品を扱うセレクトショップ「木風堂(きっぷうどう)」(川口市安行領根岸)が5月5日のこどもの日、コマ作りの実演とコマの絵付け体験、竹細工の実演など子どもが楽しめるイベントを開いた。
コマ作りは、市内で手仕事の木工房「がんどじ」として活動する木工作家の巖(がん)さんと寿子(としこ)さんを招き、木からコマができるまでの実演、絵付け体験を行った。実際に作ったコマをその場で回して遊べるように大きな木製の台を用意し、100円からコマを販売し、その場で子どもたちが楽しんだ。竹細工は、岩槻在住の木工作家で「柴工房」を営む柴田重利さんを招き、竹からクワガタを作る過程を実演した。
参加した子どもたちは、自然の木や竹から細かな手作業を通して作品が目の前で作られていく様子をじっくり観察したり、絵付けした木製のコマを回して遊んだりして目を輝かせていた。
木風堂店主の鈴木常久さんは以前、尾瀬に行った際にたまたま立ち寄った木工の店との出合いをきっかけに、南会津地方の人々と交流するようになり、周辺の広葉樹の原生林の森を案内してもらうにつれ樹木の美しさに魅せられて通うようになった。川口にも安行という植木の産地があり、観賞用の枝物にはもともとなじみがあったが、それとは全く異なる木の魅力に「はまって」しまい、「木の良さを多くの人に伝えたい」という思いが高じて2006(平成18)年、木風堂を開いた。
鈴木さんは「木はできるだけ自然のままが良い。自然の形を生かしたい」と考え、原木・丸太を現地に行って直接見て選び購入して製材した木材のほか、無垢(むく)や一枚板を使った家具なども扱っている。「木でできた道具類は使い捨てではなく、何度でも修理して使えなくなるまで使うことは、昔は当たり前のことだった。自然の木を使うことで心が豊かになる」という思いから、再生、リメークの相談に乗っている。ほかに、松本民芸家具をはじめ、木や自然素材を材料とした手仕事による製品も扱っており、店内のカウンターではコーヒーを飲むこともできる。
営業時間は10時~18時頃。 月曜・火曜・水曜定休。(営業時間は季節により変更あり。)柴田さんの作品を集めた「木のおもちゃ展」も4月26日~5月29日、同時開催している。