川口の安行にある「埼玉県花と緑の振興センター」(川口市安行)の事務所正面の枝垂れ梅の白い花が見頃を迎え、芳香を漂わせている。
この梅の木は、1964(昭和39)年に県内の無量院(神川町)の県天然記念物に指定されていた古木から穂木を譲り受けたもので、以後、大切に育てられてきた。一つの花の中にめしべが2本あり、2本とも受粉すると1つの花から並んで2つの実がつくことから「めおと枝垂れ」の名が付けられている。今年は例年より早めに開花が始まったという。
同センターは1953(昭和28)年に埼玉県植物見本園として開園して以来、梅品種を収集してきた。園内には花梅を中心に130種以上が植栽されており、開花時期には多くの来場者が訪れる。18日に行われたガイドツアーの参加者からは、メジロなど野鳥も訪れる園内で「自然に親しみながら花を楽しめた」などの感想が聞かれた。
副所長の小林利哉さんは「多数の品種が植えてあるので園全体が一気に満開になることはないが、季節が進むごとに異なる品種が順々に開花するので、長い期間、花を楽しんでいただける」と話す。
早咲きの品種は1月に開花が始まり、遅咲きの品種は3月下旬まで開花が見込める。園内では、フクジュソウ、シナマンサクも見頃を迎えている。
10月~3月の開園時間は9時~16時。入園無料。