
川口市立アートギャラリー「アトリア」(川口市並木元町1)で3月20日~4月6日、造形作家・田口輝彦さんの作品展「おもちゃたちのものがたり たぐちてるひこの世界」が開催された。
同展開催に際しては、同館若手学芸員が多くのアイデアを出した。子どもたちの目の高さを意識して作品を配置し、作品を鑑賞してそこからイメージした物語を作ってみるというワークシートを会場の壁いっぱいに掲出。会場のテーブルにはワークシートに書き込む親子連れの姿も見られた。
これまで主に東京都内で展示してきた田口さん。大学では油彩を専攻し、40歳までは埼玉県内の高校教員として後進の指導に当たっていた。退職後、再び絵筆を取ったが、以前のように描けなくなっていた。その頃、家具職人になっていた大学時代の友人からアドバイスを受け、木工の職業専門校に1年通い、今の作風にたどり着いたという。
1体制作するのに1カ月弱かかる。パーツごとに作るため、「最初からこういうものを、というより、作りながら考えていくことが多い」と田口さん。拾ってきたり、ネットオークションで落札したりしたネジや車輪、時計の中身なども、イメージに合わせて人形に配置し、作品が出来上がる。
春休みの時期に開かれた同展は期間中、1600人以上が観覧した。