ミニ企画展「関東大震災と川口市」が9月1日、鳩ヶ谷の「川口市立文化財センター分館 郷土資料館」(川口市鳩ヶ谷本町2)で始まった。
1923(大正12)年9月1日に発生した関東大震災では、県内では粕壁(現在の春日部)、幸手と並び大きな被害を受けた川口。100年の節目となる今年、川口・幸手・春日部の3市の資料館と連携して当時の様子を伝える資料や写真などを展示する。
展示にある当時の記録によると、川口町の人口は1万4351人、3021世帯あったが、家屋799戸が全壊、720戸が半壊と、約半数の世帯が被害を受けた。400以上あった鋳物工場は300以上が被災したが、震災のあった9月1日が工場の定休日だったため炉に火が入っておらず、奇跡的に火災に遭わずに済み、火災による膨大な死者が出た東京・横浜のような大勢の死者を出さずに済んだという。
震災にあった人々の証言を記録した体験記は、実際の現場がどのような状況だったかをリアルに伝え、震災直後の写真と現在の様子の写真を並べた展示では、当時の様子と現在の様子を伝える。
展示を担当した学芸員の出野雄也さんは「当時のことを振り返ることにより、日頃から防災について考え備えをするきっかけとしていただければ」と話す。
開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館(月曜が祝日の場合は翌平日)。入館料は、大人=100円、小中学生=50円。10月8日まで。期間中、川口・幸手、春日部の3市の資料館を巡るスタンプラリーを行う。