日光御成道(おなりみち)沿いに位置し、徳川家とゆかりの深い錫杖(しゃくじょう)寺(川口市本町2)で11月2日・3日、「瀧山祭」が開催される。主催は本町1丁目まちづくり協議会。瀧山は江戸幕府終焉時の大奥を取り仕切った御年寄で、大奥を辞した後、川口で暮らし、その墓は錫杖寺にある。
同寺境内では、外出できない大奥女中に向けて開かれた模擬店をイメージした「瀧山様の縁日」が2日間にわたって行われる。客殿では「瀧山遺品里帰り展」として、東京・上野の国立博物館「特別展・江戸大奥」に出展された同寺と瀧山家所蔵の品を、未出展のものと併せて再び公開。本堂では、「ロエベ財団クラフトプライズ2025」のグランプリを受賞した、川口市在住の彫刻家・青木邦眞さんの「瀧山様へのオマージュ展」も開かれる。
3日午後には、NHK大河ドラマの時代考証なども担当する大石学・東京学芸大名誉教授と、雑誌「モーニング」で瀧山を主人公にした「猫奥」を連載中の山村東さんによる、瀧山にまつわるセミナー&トークを開催する。
2日午前中には、「埼玉高速鉄道沿線魅力発見ツアー」も開催。SR川口元郷駅から錫杖寺に向かい、瀧山祭見学、副住職の講話やゲストスピーカーによる地元の話を聞く時間などを経て、昼食には徳川吉宗も食べたとされる食事を再現した「将軍御膳」を提供する。
広報担当のNPO法人「komado」福井千波さんは「女中1000人の大奥を取り仕切ったマネジメント力ある女性・瀧山にあやかって、女性が生き生きと活躍できる川口市になれれば」と話す。「御成道と一部重なるSR沿線には、当時をしのぶことのできる名所・旧跡が点在する。この地域の人たちで協力し合って、魅力あるまちづくりをしたい」とも。
開催時間は、瀧山祭=両日11時~16時(「瀧山遺品里帰り展」観覧料500円)、セミナー&トーク=3日13時30分~(参加費3,000円、観覧料込み)、魅力発見ツアー=2日9時~12時(同2,000円)。