
「川口の鉄」をテーマにしたまちブラ企画「ブラエンギ@川口」が6月21日に開催された。川口駅東口のキュポ・ラ広場を出発し、鋳物工場跡に建てられた大型マンションが林立するエリアで、マンホールや記念碑、オブジェのように残されたキューポラ、ダルマストーブなどを見ながら、荒川土手へ向かう。
映画「キューポラのある街」に登場した学校や橋を横目に、案内人を務める「アルスコーヒー」店主の鈴木亜聖さんがいれたコーヒーと川口名物「太郎焼」で休憩。その後、川口神社から樹モール商店街、SL青葉通りを経て、サッポロビール埼玉工場跡である「リボンシティ」に到着。「キューポラのある街」の舞台ともなった川口陸橋を経て、西口公園で解散となった。
ブラエンギ主催者の縁記和也さんは、たまたまコミュニティースペースのイベントで鈴木さんと知り合い、今回、案内をお願いすることになった。「都内を中心にまちブラのイベントを開いているが、地方では地元の詳しい人にお願いした方が、より深い話をしてもらえる」と縁記さん。「川口は街の中に歴史がしっかり溶け込んで残されている。鈴木さんの話を聞いて、鋳物が今の川口とどうつながっているかが分かった」と話す。
案内人の鈴木さんは「アジア最大のコーヒーイベントのチケットを近所のコーヒー店でもらって出かけ、そこで飲んだコーヒーがおいしくて、大学を休学してこの道に入った」という。「おいしいと思った豆がドイツの同じ焙煎(ばいせん)機を使っていて、川口でも焙煎機を作る工場があることを知った。工場を訪問し、いれたコーヒーを飲んでもらったりして、川口の鉄の歴史に興味を持った」という。「今度は自分の焙煎工場の見学ツアーなどもやってみたい」とも。