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川口のギャラリーでクリエーターと町工場の「交流会」 まちこうば芸術祭で

クリエーターの自由な発想と町工場の技術が火花を散らし制作された作品群が展示される。

クリエーターの自由な発想と町工場の技術が火花を散らし制作された作品群が展示される。

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 川口のアートギャラリー「アトリア」(川口市並木元町)で3月8日、「川口まちこうば芸術祭」の参加クリエーターと制作を担当した町工場関係者、来場者が集まり「オープニング交流会」が開かれた。

交流会 熱いトークが繰り広げられた

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 同イベントは昨年に続き2回目だが、交流会は初めて。各作品のアイデアを出したクリエーターたちと実際に製作した町工場の技術者が参加し、製作に当たって工夫した点やコラボする中で苦労したことなどを話し合った。

 村松秀俊さんデザインのライト「Transfer eyes」を製作したフジテックの藤田一平さんは「デザイナーが描いた簡単なイメージを設計図に落とし込むのが大変だった」、村松さんは「自分は平面のデザイナーなので横から見たときのイメージを絵で伝えたが、実際にできてきたものは自分の予想外で面白く、上から写真を撮った」と振り返る。

 坂崎千春さんデザインのペンギンの「モビール」を製作した新光ステンレス研磨の堀山竜紀さんは「目や鼻や口をどう表現するか考えて、いくつか提案し、研磨と特殊印刷で表現した」と話す。

 清田直幸さんデザインの「one plate journey」を製作したかねよしの吉田竜一さんは「一枚の板から形にしていく途中のやりとりが大変だったが、作家の情熱をなんとか表現しようと最後まで全力を尽くした」と話す。

 「Transfer eyes」の構造部分や「モビール」の吊りの部分を製作したマエダの岡村一雄さんは「モビールの荷重計算は前回のオープンファクトリーの際に製作した経験が役に立った」と話す。

 栗原精機の栗原稔さんは「アート作品を作るのは、こんな感じ、というデザイナーの感性の部分を受け取る仕事。普段の仕事では寸法を受け取って作るので、数字でなく言葉を受け取って具現化するのが難しい。芸術祭の作品作りは町工場にとってチャレンジ。それが新しい技術の習得にもつながり、町工場にとっての財産にもなる。これまで参加したのは金属加工の5社だけだが、いろいろな技術を持つ工場に参加してもらえるよう輪を広げていきたい」と話す。

 ディレクターの石田和人さんは「今回は多くのクリエーターが参加したが、芸術祭も縁から広がっている。来場された皆さんも縁を作っていただければ」と呼びかけた。

 開催時間は10時~17時。無料。芸術祭は今月12日まで。

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