川口を拠点に都内でも活動する「劇団キンダースペース」が「中島敦・光と風の彼方へ」と題した公演を9月24日から、西川口キンダースペースアトリエ(川口市西川口1)で行う。
『自意識』を畏れる中島敦が感じていた不安を感じ、ファンタジーを楽しんでいただければ
同劇団は、脚本家・演出家の原田一樹さん、劇団青年座研究所出身の瀬田ひろ美さんらが1985(昭和60)年に旗揚げし、1988(昭和63)年より現在のアトリエを拠点に活動を続けている。
今回上演する短編演劇アンソロジーのシリーズでは、これまで日本の近代文学作品より芥川龍之介、太宰治、志賀直哉、坂口安吾、織田作之助、小泉八雲らの作品をベースにした舞台公演を行ってきたが、今回は、長年国語の教科書で「山月記」が取り上げられ、中国文学者としても知られる中島敦の短編作品から舞台化する。
制作を担当しキャストとして出演する瀬田さんは「一貫して取り上げてきたテーマで、表現したいものは『不安』。個人の不安、集団の不安、と生きていく中で感じるさまざまな不安がある。中島敦は19歳で書き始め、肺病を患い33歳で亡くなった。その中で書かれた作品は唐の時代の中国、古代オリエントの影響を色濃く受けている。『自意識』を畏れる中島敦が感じていた不安を感じ、ファンタジーを楽しんでいただければ」と話す。
28日17時の回の終演後は脚本・演出家の原田さんによるアフタートークを行う。
開演は、24日・25日=19時、26日・27日=14時・19時、28日=13時・17時、29日=13時。料金は、前売り=3,500円(川口・蕨・戸田市民は3,000円)、当日=4,000円。