川口・鳩ヶ谷の地蔵院(川口市桜町5)で8月4日、5歳以上の子どもを対象にベーゴマとドローンの体験会「追い風不動杯」が開かれた。
同イベントは、地域の子どもたちに川口の伝統産業である鋳物で作られたベーゴマ遊びを体験して地域の産業を知ってもらうとともに、近年防災や運送などさまざまな使われ方で注目を集めるドローンの操作を体験してもらおうと川口商工会議所鳩ヶ谷ブロック会が企画した。
「追い風不動杯」のイベント名は、同寺院に安置される埼玉県指定有形文化財の鎌倉時代の彫刻「不動明王立像」(通称「追い風不動」)と風に乗って動くドローンをかけて名付けたという。
当日は、近くの川口市立文化財センター郷土資料館の協力を得て、ベーゴマの回し方、遊び方を学んだ後、45人の子どもたちがベーゴマミニ大会に参加して腕を競い合った。さらに、市内でドローン教室を開く「スカイファイト川口」の協力を得て、子どもたちがインストラクターに教わりながら一人ずつ小型のドローンの操作を体験。午前と午後で55人が用意されたコースを飛行するタイムトライアルに挑戦した。
市内の小学校に出張してベーゴマ教室を開いている郷土資料館の井出祐史さんは、ベーゴマの回し方を教え、参加者たちに「現在ベーゴマを作っている会社は日本に3社しかなく、ベーゴマを専門に作っている会社は市内の『日三鋳造所』だけ。今日の会場の地蔵院は、1872(明治5)年に川口で最初の小学校が始まった場所」と紹介した。
同会議所鳩ヶ谷ブロック会の寺田美津司会長は「夏休みに体験会に参加してもらうことで、地域の産業や新しい技術にも興味を持ってもらい、自由研究などにも役立ててもらえれば」と期待を込める。