
SKIPシティ映像ホール(川口市上青木3)で7月26日、「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」のクロージングセレモニーが開催され、9日間に及ぶイベントが閉幕した。
次代を担う新たな才能の発掘を目指す同映画祭の最終日、クロージングセレモニーでは271の応募作品から選ばれて上映された13のノミネート作品から、最優秀作品賞(グランプリ)他各賞が発表された。
グランプリは「『水底(みなそこ)のミメシス』(茂木毅流・長澤太一監督)、SKIPシティアワードは「長い夜」(草刈悠生監督)、観客賞は「ひみつきちのつくりかた」(板橋知也監督)が、それぞれ受賞。今回、「お笑えない芸人」(西田祐香監督)に対し、急きょスペシャル・メンションという賞が設けられるサプライズもあった。
各賞への審査員からの講評と、受賞監督の喜びの声の後、審査委員長で映画監督の石川慶さんは総評で、「20回を超える国際映画祭というのは世界的に見ても特別な存在で、それ自体が素晴らしい成果。この歴史は川口という街にとってかけがえのない財産、誇るべき文化的レガシー」と話した。「川口は多様な文化や背景を持つ人々が共に暮らす国際都市。見えない日常の声や姿を映画という形で可視化し、それを偏りなく共有し、語り合う場を生むことは、映画が持つ本来の力で、映画祭の本質的な役割」とも。
その後、同映画祭実行副委員長の奥ノ木信夫川口市長は「茂木監督も、草刈監督も、22歳だと聞いた。若い才能が持つ熱量は素晴らしい。石川審査委員長からの(川口への)言葉にも感謝」とあいさつ。同映画祭ディレクターの土川勉さんが「今年は、映像視聴の多様化を受け、映画祭のあり方を再考する選択をし、国際コンペティションの開催を見送り、国内クリエーターの発掘と育成を中心としたコンペティションへと再編成した。映画は見る人の人生を反映するものであることを実感し、映画祭開催の意義の一端を感じた」と締めくくった。